特許翻訳者にTOEICや英検は必要か

スポンサーリンク

フリーランス特許翻訳者のアツトです。

「特許翻訳に興味あるけど、この業界に入るに当たって、高いTOEICのスコアや英検を取得しておいた方が良いの?」

このような疑問は、未経験者であれば誰もが一度は考えたことがあるテーマだと思います。

僕は、特許翻訳会社に中途採用で転職し、現在はフリーランスとして仕事をしていますが、この業界に入る前はやはり気になっていました(笑)

他の特許翻訳者の方のブログを拝見すると、「特許翻訳とTOEICには何の関係も無い」とする結論が多いようです。

しかし、僕は実体験を踏まえてこのテーマについて少し違った持論を述べたいと思います。

1. 特許翻訳経験者の場合

まずはこの「経験者か未経験者か」という区別が重要です。

特許翻訳者の求人を見ると、大体「経験年数〇〇年以上」みたいな記載がありますが、その条件を満たす経験者であった場合にはTOEICや英検の資格はあまり関係がなく、トライアルの評価が重要となります。

この「あまり関係がなく」という表現には意味があります。

トライアルの合否を判定する決裁権者が、学歴であったりTOEICや英検の資格を重視する考え方を持っていた場合には、参考程度に評価されることがあるからです(トライアルの成績がボーダーライン上にあったような場合)。

僕が以前、勤務していた特許翻訳会社には二人、トライアルの合否を判定する決裁権者がいました。

一人は学歴や資格大好き、もう一人は全く気にしないという両極端な二人です。

前者の方がトライアルの合否を判定する際には、「TOEIC満点」であったり、「英検一級」という肩書きは確かに有効に働いていました。

当たり前ですが、トライアルの合否を判断するのはAIではなく人間であり、人間の判断には多かれ少なかれ、その人の考え方や好み(TOEICを考慮するか否か)が影響してきます。

「TOEICは特許翻訳の仕事を得る上では不必要!」と断言してしまうのは少し乱暴で、人間の好みが与える影響を無視すべきではないというのが私の考えです。

POINT

特許翻訳経験者の場合には、TOEICや英検の資格はあまり関係が無く、トライアルの方が重要!ただし、トライアルの決裁権者によっては、TOEICや英検の資格が参考程度に評価されることもある。

2. 特許翻訳未経験者の場合

特許翻訳未経験者がこの業界に入ろうとする場合、二つのパターンがあります。

「社員として特許翻訳会社(特許事務所)に未経験者として転職する」ことを目標にする場合と、「社員としての経験を積まず、最初からフリーランスとして仕事をする」ことを目標にする場合です。

2.1 未経験者として特許翻訳会社(特許事務所)に転職する場合

結論から言いますと、この場合はTOEICや英検の資格はかなり重要です

僕はシステム会社から特許翻訳業界に転職する際、複数の翻訳会社と特許事務所に応募しました。

このとき、TOEIC985点と英検一級という組み合わせは、どこに行っても高く評価して頂き、応募した全ての翻訳会社と特許事務所から内定を頂くことができました。

そもそも未経験者採用の場合には、募集要項にTOEICや英検の資格要件が記載されていることが多く、好むと好まざるとに関わらず取得せざるを得ないと思います。

IT業界から特許業界に転職して感じるのは、特許業界は他の業界よりも、学歴や資格が大好きであるということです。

特に、未経験者を採用する際には、ただでさえ判断材料が少ないわけですから、その傾向は強くなって当然と言えます。

社員としての採用を考えている方は、TOEICや英検で可能な限りの好成績を取得されておくべきでしょう

翻訳者に転職して分かったメリット/デメリットと転職活動の注意点

2017.07.23

2.2 未経験者としてフリーランスを目指す場合

私の知人の特許翻訳者には、実務経験がなく、かつ語学系の資格を持たない状態で大手翻訳会社のトライアルに合格し、現在はフリーランスとして仕事をしている方がいます。

あくまでも憶測ですが、フリーランス採用であれば、語学の資格よりもトライアルの成績の方が重要であると言えるでしょう。

しかし、「よし!では、会社経験を積むとか面倒だし、いきなりフリーランスで行くか!」となるのは危険だと思います。

未経験者のフリーランス採用は翻訳のワード単価がめちゃくちゃ低いからです。(具体的には8円切ってきます)

現在、フリーランス特許翻訳者は市場にあふれていて、私が在籍していた特許翻訳会社では、一旦募集をかけると未経験者ではなく経験者の応募が殺到していました

経験者の応募が多数ある中で、なぜ未経験者をわざわざ採用するのか?

その答えは、未経験者のワード単価を低く抑えてコストメリットを享受するということ以外にはありません。

既に40代以上の方はともかく、まだ20~30代であれば、まずは特許翻訳会社や特許事務所に転職し経験を積む。そして、その後フリーランスになる方が、収入の面でも能力の面でもメリットがあると私は思います。

POINT未経験者として特許翻訳会社や特許事務所への転職を目指す場合、TOEICや英検の資格はかなり重要!未経験者からフリーランスを目指す場合にはあまり重要ではないと思われるが、翻訳単価が低いことは覚悟するべき!

3. TOEIC論争について思うこと

以下は私の感情論です。

色々なブログを見ると、「TOEIC高得点は不要で、600~700点もあれば十分」という記載をよく見かけます。

そのような時、私は思うのです。

英語で飯を食う人間として恥ずかしくないのか!!TOEIC700点なんて、英語ができる高校生でも取る点数だぞ!!!

と(笑)

はい、もちろん、ただの感情論です\(^o^)/

しかし、特に日英翻訳の場合、米国の弁理士や特許審査官から、「日本人の日英翻訳は酷い」とバカにされているのは有名な話です。

私は思います。

英語で飯を食う人間として、普段から自己研鑽を積んでいれば、TOEICの800点や900点なんて自然に取れるはずだと。

とりわけ、日英翻訳は外国人が読むものですから、日本人としての誇りを持った仕事をすべきだと。

とは言え、「自己研鑽とか、日本人としての誇りなんてどうでもいい!仕事さえ取れれば!」というのも一つの考え方としてアリだと思うので、ただの感情論であると最初に述べました。

若造のくせに生意気ですみません(;_;)


以上、特許翻訳者にとってTOEICや英検は必要かという点(と余計な感情論)について述べてきました。

特許翻訳者にTOEICや英検は必要/不要との二元論で語るのではなく、あくまでもその人の置かれた立場によって結論は異なります。

単純な二元論に惑わされるのではなく、ご自身の立場をよく振り返って判断しましょう!

スポンサーリンク