収入に直結する!翻訳のスピードが早い人の特徴

フリーランス特許翻訳者のアツトです。

私は現在、フリーランスとして仕事していますが、以前は特許翻訳会社でチェッカー兼翻訳者として働いていました。

そして、その間、直接的に関わった翻訳者は少なくとも50名になります。

それだけ人数がいると、当然翻訳のスピードが早い方と遅い方がいます。

以前、以下の年収に関する記事でも書きましたが、当時の同僚達が訳していた翻訳量は、7時間で2000~3000ワードの範囲でした(日英翻訳)。

年収1000万も可能!?現役特許翻訳者が収入を赤裸々に語る

2017.08.12

「7時間で2000~3000ワード」とサラッと書きましたが、これはものすごい差ですよね。

単価が同じだと仮定すると、3000ワード訳す翻訳者は、2000ワード訳す翻訳者の1.5倍の稼ぎがあるわけですから。単価10円だと、年収にして240万(!)の差が開きます。

と言うわけで、翻訳者にとってスピードは非常に重要なわけですが、私は社内翻訳者時代、スピードが早い翻訳者と遅い翻訳者に関して、ある傾向に気がつきました。

それは、「翻訳のスピードが早い翻訳者は、そもそも英語が好きで、仕事時間外でも洋書や英文記事を読んでいる」ということです。

社内で一番早かった翻訳者は、英語で百科事典を読むのが趣味という少し理解しがたいような方でした(笑)

では、なぜ普段から英語を読んでいる翻訳者はスピードが早いのでしょうか?

ネット上で、以下のような意見を見かけました。少し長いですが全文引用します。

昨日のスクーリングでは和訳の速度のことが話題になりました。和訳についても「こうしたら」という的確なアドバイスはなかなか述べずらいのですが、「1つの文章なり、1つのパラグラフの論理構成をきちんと把握して、どのような構文で表現すべきかを頭の中で整理してから、日本語の文章を書き始めるべきだ」ということでしょうか。特許翻訳を始めた頃、1つの文章が1ページ全体で展開されているような長い英文と格闘しつつ、目で英文テキストを追いかけながら、「先ず日本語としてどのような構文にまとめあげるか」という課題と必死に取り組みました。そのうちに、どんな長文の英語でも一目でその論理構成を把握できるようになり、日本語としての全体的な構文とその下のレベルの構文と、さらにその下のレベルの構文がすぐ頭に浮かぶようになりました。(下線はアツトによる)

引用:翻訳のスピードを上げるにはどうしたらよいか?

これは和訳について書かれたものなのですが、「日本語」を「英語」に置き換えれば、英訳にもそっくりそのまま通用する内容だと思います。

要するに、普段から英語を読んでいる人は、理解した原文の内容を元に、適切な英語構文を組み立てるまでのスピードが早いということです。

一般的に、日英翻訳のプロセスは以下のステップに分解されます。

①原文の日本語の内容を理解する
②理解した日本語の内容を元に、頭の中で英文を組み立てる
③頭の中で組み立てた英文を、タイピングする

上で述べた話は、②に関わることです。

さらに言うと、翻訳する分野の内容を普段から英語で読むことで、①と②が同時に鍛えられることになります。

私の場合、大学時代から頻繁に理系の洋書や英語サイトを読むようにしておりますが、それは間違いなく、翻訳スピードの向上に活かされていると実感します。

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2018.02.04

そして、最後に③の話。

「タイピングする」と書きましたが、ここは翻訳支援ツール(Trados、memoQなど)を用いて短縮可能なステップです。

繰り返し表現が多い特許翻訳の場合、翻訳支援ツールを用いることは確実に翻訳のスピードを高め、収入の向上に直結する

・・・はずなのですが、以下の特許翻訳ガイドブックのアンケート(p103)によると、24人中12人の翻訳者はツールを全く使用していないとのことです。

一体それはなぜでしょうか?

あくまでも私の考えですが、

単純に、翻訳支援ツールの導入を面倒くさがっている人

なのだと思います。

冗談で言っているわけでも、笑いを取るために言っているわけでもありません(笑)

これは、格安SIMがイマイチ普及しないのと同じ理屈です。

大多数の人にとっては、大手キャリアから格安SIMに移行した方が携帯の月額料金が5000円程度安くなり、ほぼメリットしかないはずです。

しかし、

なんとなく今までの大手キャリアが安心だし、格安SIMのことを調べて手続きするのが面倒だから

と思っている人が多い現状です(引用:キャリアユーザーが格安SIMに乗り換えない理由第1位は?)。

これは、

なんとなく今までの手打ち翻訳に親しみがあるし、Tradosのことを調べて導入するのが面倒だから

という思考と全く同一のものです(笑)

しかし、翻訳支援ツールを使用しないことの経済的損失は、月額5000円程度どころではなく、月額数万円以上に及ぶものですので、やはり面倒くさがらずに導入すべきでしょう。

また、最近では、翻訳支援ツール指定の翻訳会社も増加しているため、単なる作業効率の問題だけではなく、仕事を得るという観点からも重要です。

とは言え、「じゃあ、早速Trados買え!」というのも急かと思いますので、まずは以下の動画を視聴されることをお薦めします。

フリーランス翻訳者になろう!

オンライン学習プラットフォームのUdemy(*)で、フリーランス翻訳者のギネスいとうさんが、翻訳支援ツールの入門動画を無料公開されています(「翻訳支援ツールについて」と題する14分25秒の動画です。リンク先⇒「フリーランス翻訳者の必需品!」⇒「翻訳支援ツールについて」と進んで下さい)。

こちらは、動画で分かりやすく、翻訳支援ツールの基本について解説されているため、翻訳支援ツールに不慣れな方でも、翻訳支援ツールの基本事項や、Trados、memoQなどのツールの違いを知ることができます。

(*)Udemyとは

Udemyとは、カリフォルニア発、世界で1500万人以上が利用する世界最大級のオンライン学習プラットフォームです。プログラミング、Webデザイン、マーケティング、データサイエンス、エクセルなど、様々なスキルを学ぶことができます。余談ですが、私も現在、スキルアップのためにWebデザインを学んでいます。


以上、翻訳のスピードが早い人の特徴と、(若干脱線しましたが)翻訳支援ツールについて述べてきました。

翻訳単価の下落は、長期的な傾向として確実に進んでいるため、少しでも翻訳のスピードを上げる努力を、個々の翻訳者や翻訳志望者はすべきだと思います。

最後までお読み下さり、ありがとうございました!

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